浦河町のBTC軽種馬育成調教センターで6月7日、BTCとBTC利用振興会の主催による、地方競馬の桑島孝春元騎手の講習会が開催された。
浦河町出身の桑島元騎手は1971年に南関東・船橋でデビュー。2010年に引退するまでに地方競馬で歴代最高となる4万201回の騎乗回数を記録し、重賞86勝を含め4713勝の成績を収めた。現在はNAR地方競馬全国協会の参与として後進の指導に当たっている。
「競走馬として最高の能力を発揮するために必要な育成技術〜騎乗回数4万回を達成した、騎手からの視点〜」と題した講習会で桑島元騎手は、事前に集められた質問に答える形式で進行。思い出に残る馬、騎手になった動機、騎手時代の生活スタイル、健康管理などを披露し、40年もの間、騎手を続けられた理由は「大きな怪我や減量の心配が無く、身も心もハッピーな状態でいられたから」と明かし、引退したのは「自分が最年長だったので、自分がやめないと若い人がやめずらくなると思った」と笑わせた。
若馬や気性が難しい馬への調教方法については「馬は鞭で走るのではないと気づいてから、馬の気持ちを考えて根気よく接することを心がけるようになりました。馬は慣れる動物ですので、辛抱強く、馬を愛する心を持つことが大事」とアドバイス。最後に「地道に焦ることなく取り組んできたことが4万回騎乗につながった。皆さんも忍耐強く知識や技術を勉強して立派なホースマンになってください」とメッセージを送った。
講習会には軽種馬関係者やBTC研修生など約100名が出席。ぎっしりと埋め尽くされた会場では、偉大な先輩の言葉に大きくうなずいたり、熱心にメモを取る姿が見られた。
講習会を主催した高松勝憲BTC日高事業所長は「これからも機会を設けて、育成技術向上のサポートができるような講習会を開催していきたい」と振り返っていた。
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